marieエッセイ「模様について」
2019年も残すところあとわずかになりました。
みなさんの1年はどのようなものでしたか?
私は、今年たくさんの展示会に参加をさせていただく中で、改めて自分の絵と向き合えた1年だったように思います。
ピカレスクとの出会いもちょうど1年前のこと。
私の作った雑貨をピカレスク・オーナーの松岡さんが手に取ってくださったことがきっかけとなり、2020年の秋に新作100点展をさせていただくことになりました。
嬉しい出会いに感謝しつつ、現在は制作に励む日々を送っています。
話は変わりますが、前回のコラムで私の絵に模様はかかせない、と書かせていただきました。
今回はその模様についてもう少し掘り下げてご紹介していきたいと思います。
思い返してみたら、10代の頃から模様のある絵を描いていました。
私が模様を描く理由、それは絵の中の空間を用いて、
私の中に広がる空想の世界をより具体的に表現するためです。
そんな模様の描きこみは一番最後に行います。
その時々の感覚によって、模様は様々な形となって画面上に現れます。
模様を描いているときはただただ無心に、好きな映画や音楽、ラジオを聴きながら手を動かし続けます。
模様を描くということは私にとって、意識せずとも私にしか描けない絵の世界観を作り上げる大切なプロセスなのかもしれません。
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最後に、完成したての作品を一点ご紹介します。
主人公は中世の街に住む女の子です。
絵を描くとき、私はその登場人物をどこか自分に置き換えて描いている気がします。
自分の中の憧れや、置かれている状況など、
絵はその人が潜在的にもっているものを投影していると私は考えています。
一概には言えませんが、絵に登場する人物は、描く人の理想像と聞いたこともあります。
そのような観点から改めて絵を見てみたとき、いつもと違った印象や面白みを感じられる方が私以外にもいらっしゃれば嬉しいです。
次回は、私にとっての「中世」が何であるかを書いていきたいと思います。